きっかけ

ふとしたきっかけで、株を始めることにした。元手は貯金の一部の50万円。はたしてこれでどこまでできるのだろうか……。

きっかけはこうだ。
フラフラとネットサーフィンをしていたら「野村のバーチャル株式投資倶楽部」というものを見つけた。これは100万円を元手に架空の株取引のできるゲームである。
ルールは、実際の株価の終値を使って売買を行い、自分の資産がどれだけ増えるかを他の人と競うものである。
10月2日から始めたところ、現在は110万円ぐらいにはなった。
まあ、架空のお金なので増えたところでどうってことはないし、実際の売買になるとそううまくいくはずはないと考えてしまうところだけれど、それよりも何よりも、このゲームを始めてからは、毎日自分の買った株が上がったか下がったかがやけに気になってしまうのである。
さらには、これから上がりそうな株とかを探したり、持っている株については、もう売ったほうがいいのか、それともまだ持っていたほうがいいのか、など、予想する楽しみもある。また、大きく見れば、株取引についても以前よりはるかに仕組みがわかるようになったし、もっと引いてみると、経済の動きについても関心が出てきた。
株式用語も楽しんで覚えているし、株価のチャートの動きもなかなか興味深い。いっぱしのアナリスト気分なのだ。
さて、そうなると、ゲームだけでなく実際の株の売買についても気になってくる。いくらあったら株が持てるのか、とか、売買手数料はいくらなのか、とかを調べているうちに、なあんだ、自分でもできるんじゃないか、という結論に達してしまった。
現在、「長引く不況」などと言われて、不景気のどん底にいるような状態である。株価は下落し、金利は安い。もうこれ以上ないくらいの最低ラインなんじゃないだろうかと思われる。
ところで、金利はなぜ下がるかというと、あれは勝手に世の中の流れに合わせて下がっているのではなくて、政府が金利を決めているのである。なぜ政府が金利を操っているかといえば、金利を下げれば経済が活性化すると言われているからである。なぜ、経済が活性化するかといえば、貯金してお金を眠らせていても、たいした金利はつかないんだから、その貯金を有効に活用しましょうよ、ということである。
理屈は、まあ納得できる。そういうことであろう。おかげで、この不況のために、金利はとことんこれでもかというぐらい下がり続け、普通預金で0.001%とという低水準である。100万円預けていても1年後につく利子は10円である。ちなみに利子に対して20%の税金がつくそうだから、実際は8円になる。
そして、その一方で、株の売買については規制緩和が図られて、誰でも手軽に買えるように、手数料の自由化や、税金の軽減が実施されている(らしい)。そりゃそうだろう。政府としては、みなさんに投資してもらって経済を立て直したいと思っているのだから、敷居が高くては誰も寄り付いてくれない。
そんな中で、インターネットを通して気軽に株の売買できるシステムも構築され、各証券会社間で競争が活発化している(ようだ)。
先の野村証券の場合だと、取引金額の1%が売買手数料として取られるらしいが、別の会社では、1注文に対して1000円と決まっているところもある。
これらの現在の状況については、今のところ勉強中なので、徐々に知っていきたいところだけど、とりあえず、株というものがわかってきた。
そこで、この連載で、ど素人で貧乏人の私が、いかにして、株を始め、どのように株を買い、そして、その結果がどうなったかを逐一報告していきたいと思う。
次回は、株を買うことについての決意などを……
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