事故が起きる確率

不幸な事故は時には起こるもので、御岳ロープウェイで起きたゴンドラからの落下事故もそのひとつだ。
何千万回か何億回に1回かのほんのわずかな確率で起きてしまったものだろうけれど、どんなに確率が低くてもこういうことは起きてはいけない。
「安全な運転」はできていたかも知れないが、もしものためにゴンドラから落ちないような工夫、そして、落ちてしまったときの安全策など、まだまだ対処することはできたはずである。窓に体がぶつからないように手すり、落ちたときに受け止めるネットなどの対策はできるはずだ。
こういう事故が起こったときに、メーカー側は、たいてい安全対策は万全だという。メーカー側がいう安全対策とは、機械的な安全対策であって、物理的な安全は別のものと考えている節がある。メーカー側としては、事故がおきない対策を万全にしているつもりかもしれないが、それでも事故は起きるのである。事故が起きたときの対策も充分に考えてほしい。
事故の起きる前には「事故は絶対に起きません」と言い、事故が起きると「このことは想定していませんでした」と言う。たしかに、事故は今まで起きなかったかもしれない。しかし、絶対はない。何億分の一の確率かもしれないが、起きる。いつかは起きる。
事故が起きたときのことも考えて、管理体制や安全対策を考えてほしいものである。